2020/04/27 16:19

 2019年4月~2020年3月彩の国さいたま国際協力基金を頂いた。

今年度は当団体がジョソール地域における高卒若者向けの教育プロジェクトを開設した。

経緯としては、バングラデシュ政府が近年、私立大学を多く設立させ、大学統一試験で参加者全員が入学に必要な良い成績が出せるようにすると共に、高校卒業者を多く輩出させる仕組みへと変えた。だが、公立大学は募集枠が例年通りの数のため、極めて優秀な生徒しか入れず、また、私立学校は学費が高額なため、家庭の経済状況が良い学生以外は進学を諦めるしかない。そのため高卒後に進学も就職もできず、貧困を強いられる若者が生み出され、家に引きこもり、家計の大きな負担になっていき、悪い組織に利用され事件を起こす等の事案等が発生していった。

このような状況の中、若者に勇気や希望を与え、誰もが社会から取り残されることなく、働けることに喜びを感じられる人生を送れるようにと、地元の自治体より当団体の職業訓練センターへ高卒若者向け教育プロジェクト開設してほしいとの要請があった。

当団体は昨年年4月から15名の高卒者を受け入れ、刺繍などの物づくりスキルやパソコン実務の知識を習得するプロジェクトをスタートさせた。今回のプロジェクト対象者は、今までと違い、男女を問わず、手作りやネット販売に興味を持っている若者としている。

カリキュラムは、週3回毎回4時間で下記のとおり組んでいる。

(A)  物づくりスキル(20197月~20203月)

   手刺繍 

   パッチワーク(かばん、ベッドカバー作成)

   アクセサリー作り(ネックレス、ブレスレット、ピアス他)

   小物の作成(ポーチ、ペンケース他)

   編み物(マフラー、コースター、鍋敷き他)

   ぬいぐるみ 

   古布を使ったインテリア グッズ

 

(B)  パソコン実務(20199月~20203月)

   パソコンの基礎知識(ワード、エクセル)

  メールのやり取り

   インターネットで情報収集

  ブログ、Facebookの利用方法

   ネットショップの仕組み

  商品の撮影テクニック

 

当プロジェクトでは、受講生がここで得たスキルや知識を生かして、若者なりの発想力や柔軟性を伸ばすと共に、精神的・経済的に自立できることを目的としている。

そして、将来的には彼らの生活の質を向上させることにより、地域社会全体の安定や経済効果の向上へも波及させることを目指している。

  今年の2月末、受講生全員が技能試験に合格し、自分の作品をネットで販売し始めた。

 コロナの影響で3月中旬からバングラデシュ全土が外出禁止となっている。受講生が自宅でマスクを作成し、低所得層の人々へ無料で配布し、一部のマスクはネットでも販売している。

 コロナとの闘いはまだまだ長いが、受講生は身に付けた知識やスキルを活かして、一生懸命頑張っている。